交流

保護者のボランティア体験報告
 豊田高専のHPを見ていたところ、校長先生が、東北の被災地の小学校で、理科の出張授業をおこなったことが紹介されていましたので、この夏の我が家の関連した体験を報告致します。

 私の住む市では、災害ボランティア登録制度があり、研修を受けた市民を災害被災地に市民ボランティアとして派遣しています。

 東北の震災対応としては、5月以降、現在も毎月約20名の市民を派遣しており、また、三重県の水害にも、先日から約30名のボランティアを派遣しています。

 8月は高専も夏休みということもあり、私と高専生の息子は、市の募集した第4次ボランティア派遣で、岩手県大船渡市に行ってきました。

 息子は、環境都市工学科ということもあり、将来的には、社会インフラの整備の第一線に立つ仕事につくので、一度、地震と津波で社会インフラが根底から破壊された被災現場を実際に見ておくのも、今後の勉強や就職について考えるうえでも良い経験になるのではないかと思い、応募しました。

 各種報道で、被災状況は把握したうえで現地に行ったのですが、TVからは伝わってこない、被災地の独特な臭いもふくめた生の迫力というものは想像以上で、圧倒されるものがありました。被災地では、海岸の防波堤が引き波で根こそぎ海側に倒され、港は地盤沈下で満潮時には水没し、何百台という廃車の山を見て、また、魚の腐敗臭の漂う冷凍倉庫の廃材の山の後片付けに汗を流した体験は、普段はTVゲ-ムにハマっている息子にも感じるものがあったと思います。

 ボランティア参加者は、年配のリタイヤ組の人が多く、また夏休み中だったこともあり、地元大学の学部長さん、小学校の教頭先生、大学生も参加していました。夜には、普段話す機会の少ない年配の方々と、宿舎の小学校の体育館で寝袋の上に車座になって、色々な話をしたことも、息子にとって貴重な体験だったと思います。

 同じ宿舎には、各地の大学生もボランティアに来ており、 豊田高専も、東北地方の高専とも連携をとって、震災直後の支援物資の緊急搬送に加え、学生も含めた継続的なボランティア支援ができればすばらしい活動になると思いました。

2011/9/22受稿